飛ぶ鳥の献立

珈琲と酒と本とぼんやりした何かでできている

飛ぶ鳥の巡礼

週末、奈良は明日香村まで一泊二日の旅に親友二人と行ってきた。 

 

この国の始まりの物語を持つ神社へ。

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緑とご神気に包まれながらの麗しき参拝。

 

本殿の奥では挙式の予行なのか新郎新婦と思しきお二人が神主さんと並んでお参りされていた。

あらゆる善なるものが望月のように完璧に満ちているその尊さに覚えず涙が出た。

涙ぐんでいる私に友人が気づき、一人は肩を抱いてくれ、もう一人は「心がほぐれている証拠だよ。良いことだ」と言ってくれた。

最高の友達だな、と改めて思った。

 

あまりに空気が穏やかなためか、猫さんもここまで近づかせてくれた。

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もう一社、素敵な神社を友人に教えてもらった。

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私にとって神社仏閣とは、願掛けをする場所というより、 自分はどうありたいのか、を自分に問い直す場所である。

人からどう見られるかではなく、人と比べるのでもなく、ただ平らかに内観をする場所。

この神社はとりわけ静謐な優しさに溢れていて、明鏡止水の心持ちで参拝した。

 

宿泊したゲストハウスでは地酒がいただける。

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当然のように飲み比べる。

 

宿の方が夕日を見に行くツアーを組んでくださった。

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出会う人や見るもの全てが温かい。

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朝の散歩もまた祝福に満ちており。

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自転車を借りてのんびりと走る。

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風に乗って、「もうローン地獄よ!!ローン地獄!!」という声が聞こえてきた。

明けない夜はないし終わらないローンはない。頑張ってください。

 

直売所でそら豆と枇杷を買った。どちらも100円。 

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こんな青空の下にいたら、食べるよね。f:id:mochidori:20170607170834j:image

 

お寺に参拝したり古墳を歩いたり古代の壁画を見たりしてから、美味しい珈琲屋さんへ。

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友達の頼んだプリンが可愛すぎた。 

 

それぞれの心の形に合った得難いものを得て、ふくふくに満たされて。

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また来ると決めたから、心の一部をここに置いて行く。

だから、いつでもここに帰ってこれると3人とも知っている。

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今回の旅で、自分の中にあった一番大きなわだかまりが消えて、一点の曇りなく「もう大丈夫」と思えた。

いま志している道に必要な道具は全部持っていると気づけた。

あとはただ歩んで行くだけである。

それが一区切りついたら、またお礼に訪れたい。