飛ぶ鳥の献立

珈琲と酒と本とぼんやりした何かでできている

夏中眇眇

夏バテしたり他のことにかまけていたらあっという間に更新しない日々が更新される。

恐ろしいことだ。恐るべきは自分の中の無抵抗主義者だ。

とりわけ今年は夏バテがひどく10時間以上寝ているし、人と一対一で会っていてもおおよそ2時間くらいで対人エネルギーバッテリーが空になる。そのため通常に輪をかけて人付き合いが悪くなっている。

夏の養生はなるべく心を苛立たせず平静にして、胃腸を温めて、適度な汗をかくことが大事なようなので、ゆったりとした気分や行動で越夏しようと思う。

 

景気付けに毎度馬鹿馬鹿しい話でも書くと、先日、ZOZOTOWNで夏のセールをやっていたのでうっかりワンピースなどを買ってしまった。

コーディネート写真を見たら、同系色のヘアバンドと組み合わせたスタイリングがとても可愛らしかった。

ヘアバンドとはこのようなものである。

kinarino.jp

 

真似したいと思って色々見てみたが、見ているうちに自分がやっても黄巾族にしかならない予感がしてきたのでやめた。

 

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お洒落に貧しい村落出身の雑兵であり、劉備こと流行アイテムに何度も敗北してきたこの身には既に「勝てない戦はしない」という孫子の兵法が骨の髄まで染み込んでいるのである。

戦績画面を開けば下記のように華々しく散っていった武将達の姿が鮮やかに蘇る。

×ニットキャップ 敗因:頭部を怪我した入院患者に見える

×ボブヘア 敗因:戦後の子どもに見える

×オールインワン 敗因:農業従事者に見える

×ガウンワンピース 敗因:修行僧に見える

 

このような雑兵にとっての生存戦略はただ一つ、社会的ステルス能力の強化である。

私の装備の8割はネイビー、ベージュ、カーキ、ブラックという4大ステルスカラーでありこれらを纏った上で長年のコミュ障生活によって練り上げた気配を経つスキルを発動させた状態はF-22に匹敵すると言っても過言ではない。

 

そのようにしてなんとか命を繋いできた私でも一応、お洒落とはまず自分の内にある違和感との戦いだということはよく分かっているのである。

 「分かっていることとできることは別」とはよく言われるが、むしろ「そんなことは分かってる」は行動を阻害する最大要因なのではないかとたまに思うことがある。

頭で考えることが先に立ちすぎると、それのみで既に何かを選択し終えたような、義務を果たしたような錯覚に陥ることがままあるからだ。

例えばこういう愚にもつかない些末で卑小な文章一つ書くだけのことでも、考えすぎると手が止まる。

当たり前のことだが考えただけでは何も生み出さなければ現状打破にもならない。

であるにも関わらず「それは分かってるんだけど」で終わってしまう事例を、特に自分の場合を含めて枚挙に遑がないほど見てきた。

特に頭が良くてプライドが高い人や、自己肯定感が低い人によくこの傾向が見られる気がしている。

私は完全に後者であるが、後者は「自己肯定感が低いため考えても行動に移せない→成功体験が生まれない→自己肯定感がいつまでも育たない」というスパイラルが生まれてしまいがちである。

 

そのような歪んだ信念を生み出さないためにも、自己肯定感のマネジメントはアンガーマネジメントなどよりもずっと重要ではないかと思う。

自分については自己肯定感の低さは色々な対策を取り入れて少しずつ改善されるようになってきたので、良い循環を生み出せるようにしたい。

それでもヘアバンドは使いこなせる気がしないが。

 

何を言いたいのかよくわからない終わり方に象徴されるように、この季節は常に惰気との戦いなのである。

適度に抗い適度に休んで生きよう。