飛ぶ鳥の献立

珈琲と酒と本とぼんやりした何かでできている

解釈という深淵を覗き込む

三連休はやるべきことに向き合わんとして奈良の旅館に缶詰になっておりました。 せっかくの奈良なので、合間に散策も楽しんだ。 五重塔は興福寺がとりわけ好きである。 大好きな志賀直哉旧居の縁側で寛ぐ。 こういう書斎が欲しい。 夏の甘味もちゃっかり摂取…

波長と信号

やるべきことが急に増え出してじっくりブログを書く余裕がなくなってしまいました。 そんな中でもここにお運びくださる方がいらっしゃるらしいという事実がありがたくてもったいなくて、何か少しでも書けたらなどと思います。 しばらくは今まで以上に短文乱…

終身夏季休暇

通勤路でついに蝉が鳴き始めた。 冬生まれで夏がE(超ニガテ)の私にとって毎年この季節はただの引きこもりなのだけれど、今年は少しだけ活動的になろうと思っている。 とりあえず今年も夏コミに参戦することが決まったので、原稿を頑張らねばならない。まだ…

疑を以って人に利する

台風が向かってきている。 気圧が低いと頭痛に襲われやる気は地盤沈下し、仕事の進みが非常によくない。 そんなわけで色々なことを考える。決してサボっているわけではない。 先逹てから考えていたのは人徳というものについてである。 人徳があると言われる…

転回する向日性

トピック「ベストショット」に倣って。 全く思いもよらぬことから長年待ち侘びていたことまで、様々な起伏に満ちた上半期であった。 流行りに乗って、そんな山道谷道すがらiPhoneで撮ったいくつかの思い出を並べてみる。 これは以前の記事でも載せたけれど。…

器と泉

また更新が途切れていた理由はゲームではなく(もう飽きた)、先週から読書熱が自分の中で再燃していたからでありました。 本を読みだすと他のことが全てどうでもよくなってしまうのが小さい頃からの悪い癖である。 先日の投稿で「器」について書いたけれど…

現実と現し方

しばらく更新していなかった理由は割とはっきりしておりまして、先週からうっかり始めてしまったこのゲームのせいです。 刀剣乱舞もものの数日で飽きた人間としてはもうこの手のキャラゲーはやることもないであろうと思っていたのに、アプリ版リリースに伴い…

器と鏡

自分の周りの5人の平均が自分自身だ、とはよく言われるけれど、良くも悪くも、当人の器に合った人が周りに集まる、ということは改めて最近考えていて、そんなことを友人達とも話している。 なのでどうしたって、自分の器に合わない人は自分の周りには集まら…

飛ぶ鳥の巡礼

週末、奈良は明日香村まで一泊二日の旅に親友二人と行ってきた。 この国の始まりの物語を持つ神社へ。 緑とご神気に包まれながらの麗しき参拝。 本殿の奥では挙式の予行なのか新郎新婦と思しきお二人が神主さんと並んでお参りされていた。 あらゆる善なるも…

弦月を見上げ水月を迎える

水の月、6月。 雨を眺める時間が楽しみな季節。 ここ一年以上という長きにわたって無気力状態が続いていたのだが様々な模索の末にようやく少しずつ気力が戻ってきたので、年始に心描いた目標に向かってぼちぼち頑張っていきます。 昨晩は真夜中に目が覚め、…

雨と白鳩と猫

私の中で突然再来した奈良ブーム。 ここのところ毎週末、思いつくままに散策している。 大好き唐招提寺。 雨上がりで人も少なくとても静かであった。 天平様式美しい。 盧遮那仏坐像は拝観しているだけで何かを受け取ったような心持ちになる。 よくこの技法…

回復の泉

一昨日の良い増田。 anond.hatelabo.jp 誰の心の中にもおそらく自分だけの回復の泉があって、その泉で人が孤独に癒される時間を美しいと思う。 どうでも良いが自分の場合は、寝ること、自然に触れること、本を読むこと、この3つである。 夢、自然、物語全て…

青紅葉を狩り内を観ずる

すでに初夏の気配。 と言うことで、京都の山近くまで青紅葉狩りに行って来た。 目的地までは、電車とバスを乗り継いで1時間半ほどで到着。 川遊びしているご家族が遠くに見えた。 この池がすごく良くて、しばしほとりに座り込んでぼけっとした。 庭を眺めて…

有限と勇気

この記事を読んで、美しい文章だなあと感銘を受けた。 haiku-new-space03.blogspot.jp 詩や句や歌を詠む人の書く文章が私はとても好きなのだけれど、 そのなかでもこの記事の、特に後段は輝きに溢れているなあ、と思った。 なんでもそうだが、はじまったら・…

尊厳は価値より深し

おとといの夕焼けは、誰かと一緒に眺めたくなるくらい美しかった。 自分の人生は一言で言えばこれまでとても「遠回り」だったと思うのだけれど、 そのおかげで、おそらく人よりも少しだけ多く、多様なバックグラウンドの方々に出会ってきた。 例えば、 陽の…

偶然藤狩必然飲酒

気づけば立夏。 紫陽花がお花屋さんに並ぶ季節。 そんな連休最終日の正午、このまま自宅でゲル状の何かと化して終わる己が鮮やかにイメージできたので、散歩でもしようと外に出たら、いつの間にか奈良に着いていたのである。 超気怠いご近所ファッションのま…

連休泡沫由無

GWは福島と岩手と宮城に行ってきた。 コミュ障レベルがカンストしている私にしては珍しく、人と会ってばかりの連休であった。リア充のコスプレをしていた連休とも言える。 そんな連休中のほっこりとかうっかりとか。 どの地も眼に映る風景全てが美しくて、悲…

答えと救いは同義ではない

転機は思わぬタイミングで思わぬところからやってくる。 そして迷いが生じた時は、散策するに限る。 というわけで週末、歩くことを目的に出かけた。 ご近所さんのミモザ。こんなにもさもさに咲いてるの初めて見た。かわいい。 歩こう、と決めた時はだいたい…

一瞬の観測、一握の機微

前回の記事で、ちゃんとしたカメラで撮ろうと書いたけれど、 日常で目にするものは今まで通りiPhoneで撮っていこうと思っていて、 この冬から春に向かう道行で出会ったものを並べてみる。 下りの対岸は上り。 柴だんご。 もう終電は諦めよう、と言った時の。…

往事渺茫としてすべて夢に似たり

写真を趣味にし始めたのは、確か14年くらい前である。 コンデジから始まり、銀塩一眼(Nikon FM3a / CONTAX ST / ALPA 10d)、銀塩中判(HASSELBLAD 500C/M / Rolleiflex Standard)、銀塩レンジファインダー(Nikon S2 / Leica M2 / Leica DII / CONTAX G1…

身にかへてあやなく花を惜むかな

今年はあまり撮れなかったけれど、花見の記録。 2月、熱海にて。 坪内逍遥の晩年の住居、双柿舎の庭に咲いていた寒桜。 4月、東京から遊びに来てくれた友を円山公園に連れ出す。 4月、友と天満橋から大川沿いを歩く。 桜咲く春は夜だになかりせば夢にも物は…

表現と循環とカツサンド

週末、東京に上った。 新幹線の中で、春雨の中や花曇の下の桜、霞たなびく山、黄昏に灯る街灯を眺めていた。この季節をただ美しいと感じていられることの幸福のほどを味わっていた。そんな感傷に、「これ辛子入ってませんか?(苦手)」と売り子さんに確認し…

惑わずして移ろいゆく

すでに桜は緑に移りつつある。 今年は花散らしの雨が例年よりも早くて本当に一瞬だったけれど、親友とも、一人でも、たくさんの桜を見ることができた。 造幣局の桜の通り抜けはまだ開催されているので最後にそれを観て、春をきちんと見送ろうと思う。 暦とし…

春はあけぼの

少し前に、尊敬を寄せていて、 私のことをおそらくほとんど理解してくれているであろう存在から、 「今、お前が進みたいと思っている道は正しい道だ。だから、そのまま歩め。」 というような言葉をいただいた。 それは夜明けの光のように力強い言葉で、心か…

友が来たりて大阪案内

先週末、東京の友人が遊びに来阪してくれた。 来阪してくれるのは二度目だが、一度目は新世界にて串揚げ&京都案内で終わってしまったので、大阪市内の観光は今回がほとんど初めての友人である。 というわけで、張り切って連れ回してしまった1日の記録。 東…

山と工芸と焼きそばパン

昨年末の帰省中、地元の宴会への参加を拒んだ時に母親から言われた「あんたは幼稚園生の頃から人がたくさんいる場所が苦手だからね」という言葉を時々反芻している。そうだったよな、これは生まれついての性質だからそこに対しての罪悪感は不要だな。先天的…

楽に至る道

「文學界」 3月号の、羽田啓介さんと村田沙耶香さんの芥川賞作家対談は、なかなか面白い示唆に満ちた内容であった。 文藝春秋|雑誌|文學界_1703 印象深かったひとつにこのようなくだりがある。 (村田)(「コンビニ人間」は)自分にしては早く書いた。 (…

言葉と信頼

コミュニケーションの難しさはきっと人類が誕生した時から今日に至るまで、誰一人悩まない時など刹那たりともこの地上にはなかったと思うくらい普遍のテーマだと思うのだけれど、それに関して昔からずっと思っていることについて今日は記す。 ・大事なのは、…

筋書きを手放す

さまざまな人の心中に触れる日々を経過して、人は無意識に筋書きを自分に付与していることが意外にも多いのかもしれない、と最近思う。 例えば、「本当に欲しいものはいつも手に入れられない」とか、「誰ともうまく関係を築けない」とか、「一番にはなれず、…

自意識に窓をつける

今日はいつにも増してとりとめもなく書きます。 少し前の話になるが、「ダ・ヴィンチ」2月号の特集で、漫画家の東村アキコさんのインタビューにこんなくだりがあった。 「結婚すると、いいこともありますからね」 「ラクになるんですよ」 「独身の時って、2…

春と道

しばらく前、友人に、「宇多田ヒカルの『道』を聴いていて、うみのさんのことを思い出した」という過分な言葉をいただいて、よく聴いている。(多分これを読んでくれると思うけど。ありがとう。)これを書いている今も。この季節に合う、希望に満ちた歌だな…

呪いを祝福に変える力

だいぶ以前に書こうとしてやめたテーマなので、少し古いネタなのだけれど、やはり書きたいなと思ったので書いておく。 2月12日のNHKスペシャルのテーマは、「見えない“貧困” ~未来を奪われる子どもたち~」であった。 www6.nhk.or.jp 子どもを進学させるだ…

春を連れてくる雨を眺めながら魂の調律をする

まるで弧を描く星のように、頭の中にひらめくことはたくさんあったのだけれど、忙しさに取り紛れて消えてしまったものたちを切なく思って久しぶりに更新します。 まあ、大切なひらめきであれば、またそのうち帰ってきてくれるであろう。 なにが大変だったか…

春を心に招き入れる

「あたためる」ということのもたらす力はすごい、 ということを最近改めてしみじみ、思っている。 しばらく前のことだが、たまたまつけたテレビで「癌予防」の特集番組をやっていて、出演されていたお医者さんが、予防においてとても大切なのは「冷やさない…

生きたいようにしか生きられない人生に祝福を

2〜3日に1回どころか、一週間も空いてしまった。 仕事が楽しいとそれ以外のことをほとんど考えなくなるのは私の悪癖である。 少しは更新しないと惰性に流されてしまうので、今日からちゃんと書こうと思う。(と自分を追い込む) 前回の記事の続きではない…

取捨選択の「捨」を意識する

書きたいことは溢れんばかりにあるのだけれど仕事が楽しすぎて毎日己を使い果たした感がありなかなかここに文章を刻めずにいた。多分今後は2日か3日に一度くらいの更新になるような気がしている。と書くと実際にそうなるということはわかってはいるが昨年…

個と組織の両方を重んじることは斯くも深い

すこし日が開いてしまった。 仕事が楽しかったり飲んでいたりしていたのもあるが、精神的に閉じ籠っていたい数日間でもありました。 そんなここ数日ではあるが、お会いした何人かの人から文章をお褒めいただいた。 ありがとうございます。 なかにはファンだ…

孤独の中にある尊厳

先日、孤独について偉そうなことを書きましたが、その増補。 私自身は、己の孤独の解決を人に委ねない、というポリシーを持っている。 「孤独をつぶやくな、沈黙を誇れ」 これはとある雑誌のコピーであるが、本当に秀逸だと思う。 個人的にはこれを墓場まで…

執着選択の自由

今日は短く行こう。 ①生きてる ②寝られる、休める時間がある ③ご飯が食べられる ④安心して帰れる場所がある とりあえずここまでで、人としては十分恵まれている。 さらに、 ⑤心身を損なわない程度での仕事がある ⑥何かひとつでも、楽しいとか面白いとか思え…

私の帰る場所

寒波到来ですね。 冬が一番好きな季節の私ではあるが、さすがに外に出るのが辛く、そういえば、と思い出したのが、年末年始に帰省した際、 母から 「これしばらく前に買ったんだけど全然着てなくて、あんた着ない?」 と譲られた黒のダウンコートの存在であ…

孤独の先にある世界

先日、東京に行っている折、とある素敵な知人とお茶をした。 陽だまりのようにおだやかな視座と春風のようにやわらかな感性を持つ素敵な知人であり、人生やらキャリアやら様々なトピックについて語るのは楽しかった。 後日、その知人がSNSで、そのとき話した…

愛情の深さが影響の輪を広げる

こんばんは。 新職場にて、 「うみのさんってモテそうですよね。女性らしいし色気があるし」と言われ、 え??誰のことを言ってるの???誰か違う人が見えているの???? と混乱を極めた私です。 そんな話はすこぶるどうでもよくて、今朝たいへん深く感じ…

私の好きなあなたの好きなところ

昨日の記事で疲れがなかなか抜けないことについて書いたがその後、 仕事の終わりと同時にいよいよ充電がゼロになったことを自覚した。 東京出張帰りの大荷物を抱え、もはやスーパーで買い出しする元気もなく帰宅し、 冷凍ストックしておいた食材であり合わせ…

私的対人諸法度

昨日更新がなかった理由はここをご覧に来てくださる優しい方におかれましてはお察しの通り、泥酔再びだったからです。 もうしばらく酒は飲むまい。今週の金曜日に会社が私の歓迎会を開いてくれるのでそれまでは。 ところで一昨日くらいから自身のエネルギー…

夢と魔法の国の海の帰りに思うこと

東京滞在の休日最後は、ディズニーシーに行ってきた。 私も友人も、アトラクションより建造物のディテールを見るほうが楽しいので、写真を撮っているときが一番充実していた。 いつか人里離れたところにこんなロマン溢れる庵を結んで、ほとんど誰にも会わず…

文楽好きの歌舞伎初鑑賞

歌舞伎座の初春公演を観てきた。 大阪に越してからすっかり文楽好きになりちょくちょく観に行っていたのだけど、歌舞伎は人生初。 歌舞伎観劇歴の長い友人がアテンドしてくれた。 小屋からすでに文楽劇場と違って豪奢で、入る前から気分が高まる。 昼の部を…

墓と肉

あっさり更新が途切れましたが何故かというと昨日と一昨日は泥酔していたからです。 酒の力は習慣を超えるということをありがたくもなく実感しました。 今日もさっきまで友達と飲んでいましたが、なんとか酒に打ち勝ちました。1勝2敗。 引き続き東京に留まる…

仕事始めの朝参詣

新しい勤務先は10時始業である。 が、朝6時と異様に早い時間に目が覚めてしまったので、東京の朝を楽しもうと浅草を散策してきた。 仲見世通りも3が日を過ぎると一気に人が減る。 初詣はどこも混むから苦手という方には、ぜひ仕事始めの朝の参拝をおすすめし…

東京彷徨

本日より首都入り。 在住歴は東京で10年、大阪で5年なのに、心はすっかり関西に落ち着いているせいか、そう久しぶりでもない東京なのにひどくビジター気分である。 あちこちのエリアでおなじみの川とスカイツリーの競演や、 何気ない水門にも心が浮上する。 …

本当に大切にしたいことだけを大切にする、その美しさを思う

母の家から父の家へ年始巡りをした後に兄一家とも別れ、ひとりふらっと地元を散策してきた。 姪っ子が別れ際にプレゼントをくれた。 兄と義姉いわく、すっかり私に懐いたとのことだったが、 「もうお別れなの…?」 という寂しげな顔の後、 「YouTubeが観られ…