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自分と社会双方のために、自分を生かす場所を選ぶべきであるということ

診断士の資格を取って以来、百人単位で知人が増えた。

 

が、人とリアルで会うとたいへんなエネルギーを消費して会った後は常にぐったりしてしまうのが物心ついたときからの性質である私にとって、人と会う約束をしたり人がたくさん集まるようなところに参加するのはいつもちょっとした勇気を伴うしそもそも自分から誘う勇気もないので、せっかく知り合えても、結果的にはごく少数の人としか付き合うことができない。

これは診断士になる以前からであるが、こんな出不精な私に声をかけて下さる方や仲良くなって下さる方の存在が貴重過ぎるが故にそういう方との関係はとても大事にするけれど、仲良くなるまでけっこうな時間がかかるし、この人とは分かりあえないなぁ…とひとたび思ったら疎遠になることにまったく躊躇や未練がない。(なんとなく疎遠になるということは相手も私に対して同じようなことを感じているのだろう、という解釈も手伝っているが)

 

我ながら狭量で面倒くさいと思うが、かくのごとく私は典型的な内向型人間である。

 

内向型/外向型というタイプ分類は最近色々な書籍で解説されているけれど、こちらのスーザン・ケインさんのTED動画がわかりやすい。

 

www.ted.com

 

私もこの話にあるように、交友関係を積極的に広げていくことができないし、一人で静かに過ごしているときが最もリラックスできて仕事の企画も生まれやすいと自覚している。 

それゆえに協調行動が重視されがちなビジネスの場面において、一人の世界に籠ってアイデアを生み出すことを尊重してもらえる今の仕事は自分のそんな性質にとても合っているし、その意味では天職だと思っている。

(もちろん協調性が求められることもそれなりにあるしハードな交渉の場面も多くそこに面白さを見出すこともあるけれど、それが仕事のすべてになってしまったら、自分はとてもやっていけないなあと思う)

 

そのように幸運にも己の身上に合った狭い井の中で生きてきた私が診断士になってもっともカルチャーショック的な衝撃を受けたのは、世の中にはこれほどに外向型の人が多いのか、ということである。

しかし考えてみれば、そもそも診断士という資格を志す動機も、中小企業の社長の力になりたいとか企業内で自身の価値を高めたいという外向的なファクターが多いわけであるし、さらに士業の仕事の要は信頼関係であるからして日々の積極的な対人コミュニケーションやネットワークづくりなどが欠かせないというところでも外向型の行動気質とは親和性がとても高いのであるから、当然と言えば当然だと気づくに至った。

(私の診断士受験動機は、単純に知識を体系化したいということと、その手段として大学院に通うより経済的という事だけでした)

 

それは至極まっとうな価値観であるし、社会のあるべき姿に照らしても是であり善であるから、異を唱えるつもりはまったくない。

 

その一方で、それが内向型である自分にとってプレッシャーとなってしまったり、外向型の行動ができない自分自身を卑下してしまうようであれば、それは「自分にとっての正解」ではないとも思う。

 

ランチェスター戦略によれば、戦略において最も重要なことは「まず、自分の戦う場所を選ぶこと」と言われる。

これは仕事においても人生そのものにおいても共通の真理であると思うし、その「場所」を選ぶのは、診断士という資格ではなく、自分自身の「どうありたいか、誰とともにいたいのか」という意志である。

 

その意志に基づいた選択の結果であるならば、私は例えこの資格を生かしきれなくても別に構わないと考えている。

自分なりに考える「世の中をよりよくしていくためのミッション」に、自分の戦場で、自分なりの内向型の強みを生かして貢献できるのであれば、道が違えども、それは診断士の目指すべきゴールと近しいところに向かっていると思うからである。

 

と言いつつ、内向型ならではの診断士の生かし方も、顕在化したものは外向型に比して少ないが、恐らくあるだろうと思っている。

たとえば深く長い信頼関係を構築していくこととか相手の話を傾聴する力とかアイデアを生み出すこととか、内向型が得意とすることは診断士の仕事において重要な役割を担っている部分も多い。

 

ことにこの資格はなかなかロールモデルを見出しにくいものであるから、内向型と外向型それぞれの活かし方の違いを探究してそれを人に伝えていくのも面白いかなあ、と思っている。

 

いろんな光の当て方があるから世界はかくも奥深く美しい。

 

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TED動画のスーザン・ケインさんの著書。

「内向型が静かに社会を変えていく」というフレーズは、生き辛さを感じることの多い内向型人間に勇気を与えてくれます。

 

 

こちらの解説もわかりやすいです。