飛ぶ鳥の献立

珈琲と酒と本とぼんやりした何かでできている

月下独歩不亦寂乎

だいぶフライングだけれど、2016年を振り返って。

 

思えば物心ついてからずっと、誰にも頼らず生きていくことだけをただ志して、そして18歳で親元を離れてからは、それだけをただ拠り所に生きてきた。
けれど今年は、自分がいかに色々な人に気にかけてもらったり助けてもらっているか…と気付くことが本当に多かった。


唯一好きなとある占いで、今年のテーマは「ひとりではなくなっていく」であると年初に読んで、いやいや、この私に限ってそんなことあるわけないよ…と思っていたけれど、ひとりではないな、といまは心から思う。


ひとりでもいられるし、けれどひとりではない。

得難いこの気付きは、私の人生においての、間違いなく最も大切な果実であると。

 

以前の記事で、全てはうつろうものであるし、人と人との関係も決して例外ではない、というようなことを書いた。

うつろいの中にある限り、すべては通り過ぎていくものだ。

 

けれど、たとえば、ある日のふとした帰り道に一緒になって思いもかけない話をしただけのことや、

互いのかけがえのなさを確かに思ったいつかの日々のこと、

一番近くにはいられないけれど遠くから応援していたいと願うこと、

苦も楽も笑い合いながら同じものを分かち合った時期のこと、

心の深い部分に触れたいと言葉を尽くした夜のこと、

同じものに感動して、言葉もなく頷き合った瞬間のこと、

不思議な縁で再会し互いの来し方を肯定しあったひとときのこと、

 

あらゆるものはうつろうけれど、だからといって、なにもかも消えてなくなるものでもない。

どれもが自分の一部であり、自分と生き続けるものだ。

 

人と人との交わりは、日の光のような簡単に絶えるとは思えないものもあれば、限られた時のみを共にする篝火のようなものも、或いは一瞬の火花のようなものだってあるが、たとえ一瞬であっても、その光が一生を照らし続けることもある。


私と出会って関わってくれた方々へ、ただただ感謝と祝福しかない2016年なのです。

 

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