飛ぶ鳥の献立

珈琲と酒と本とぼんやりした何かでできている

春はあけぼの

少し前に、尊敬を寄せていて、

私のことをおそらくほとんど理解してくれているであろう存在から、

「今、お前が進みたいと思っている道は正しい道だ。だから、そのまま歩め。」

というような言葉をいただいた。

それは夜明けの光のように力強い言葉で、心からそうだと思ってただ頷いた。

 

言葉というのは不思議だ。

周りがどれほど言葉を尽くそうと、

本人が受け取れるぶんだけしか受け取れない。

だから、どんな言葉を受け取れるかは、

その人がどう生きてきたかの成果なのだと思う。

 

多分、一年前に冒頭の言葉を言われても、きっとその時の私は受け取れなかったであろうと思う。

その言葉をもらった状況もかなり不思議な巡り合わせだったのだけれど、それもまた自分のそれまでの無意識の行動が積み重なった結果なのだと考える。

 

言葉を与えることは自由だけれど、

受け取らせることまでは自由にはならない。

誰にいつどこで、自分の言葉が届くかわからないから、

どんなふうに役立つことができるかわからないから、

人に伝える言葉はやっぱりいつでも疎かにしないでいよう、と改めて思うのだ。

そしていつか、夜明けのような言葉を誰かに贈ることができたら嬉しいと思う。

 

それが自分の歩もうと思っている道です。

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何かを始めるのにも、訣別するのにも、桜の下は良い場所だ。