飛ぶ鳥の献立

珈琲と酒と本とぼんやりした何かでできている

2016-03-01から1ヶ月間の記事一覧

ひかりのどけき春の日にしづ心なく逍遥すること

風の冷たい日をまだ名残のように残しながらも、いくつかの雨の夜を通過儀礼のようにして、季節は着実に春へと向かっている。 「秋の月はさやけきを賞で、春の月は 朧なるを賞づ」とふるくから言われるが、縹渺たる夜の明かりに象徴されるように、春はいろい…

5年前の5月、宮古を歩いた話

私は大学時代を、岩手県盛岡市で過ごした。 おだやかでのんびりとした街の雰囲気、岩手山と北上川の美しさ、車でちょっと行けば温泉街や自然の絶景を見に行けることなどがとても気に入って、就職先さえあればずっと住んでいたかった場所だ。(当時は就職氷河…

自分と社会双方のために、自分を生かす場所を選ぶべきであるということ

診断士の資格を取って以来、百人単位で知人が増えた。 が、人とリアルで会うとたいへんなエネルギーを消費して会った後は常にぐったりしてしまうのが物心ついたときからの性質である私にとって、人と会う約束をしたり人がたくさん集まるようなところに参加す…

春と修羅

自分が何を許せないか、というのは、己を練磨するものであり、己の弱さを確認するものでもある。 許せないという感情をどう取り扱うかが、自身の心の形を決めるのだ。 なので、美しくない振る舞いに腹立ちを感じようと、そこに己を縛り付けてはならない。と…

白河夜船の漂泊に遊ぶ

人生初のインフルエンザの病床に2月を見送って気づけば3月。 3日3晩熱が下がらず、人間ここまで眠れるのかというくらい眠っていた。 そのように生活のほとんどを眠って過ごしていると、現と夢の境界線がほんとうにあいまいになるのだなあということを実…