飛ぶ鳥の献立

珈琲と酒と本とぼんやりした何かでできている

無職とガラスペン

先日、9年2ヶ月勤務した会社を退職し、年明けの転職先初出社まで束の間のニートライフである。

 

しかし時間というのはぼんやりしていればしているほど早く過ぎるというバカに厳しいシステムを導入しているので、一瞬でも長く無職を感じていられるよう、日の本一勤勉なニートを目指して計画を立てた結果、「せめてこんな時くらい、毎日ブログを更新する」という意識低い系の目標が固まるに至った。身の丈に合わない目標を設定してもどうせやらない自分という人間へのいとしさとせつなさと心細さが反映された結果である。

 

というわけで今日から毎日何かしらを書こうと思うのであるが、しかしつい先ほどまで冬コミ原稿を魂を削る思いで書いていたのですでに今日の残機はゼロであり、真面目な事など1byteも書けそうにない。

こんな時はネタさえも人様の優しさに存分に甘えていこうと、退職祝いとしていただいたガラスペンの話でも書こうかと思う。

 

小学生の頃から自他ともに認める文房具好きの私のために、美しいガラスペンとインクを優しい部署の皆が送別の儀にて贈ってくれたのである。

 

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美しい流線形のフォルム。ハイウェイスターになれそう。 

インクはJ.HERBINの創業340年を記念してつくられたアニバーサリーインク。
金の微粒子入りで、うっすらと上品にラメがかった光がとてもきれい。

シーリングスタンプがあしらわれたボトルもかわいい。

 

実際に書いてみると、深みのある赤紫の中に玉虫色の光が混じるのが美しい。

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なぜ外郎売の台詞かというと、元演劇部だからという以外に理由はない。

 

 殴り書きしても(するな)、掠れも味わい深く見えるのがガラスペンの書き味のよいところ。

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 漢詩の写経が趣味です。賛同者はいない。

 

会社のPCやiPhoneを壊した前科のある人間としては決して持ち歩きしてはならない類の文具であるが、ありがたく大事に使い込んでいきたいと思う。

 

ただ一点だけ懸念点がある。

 

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ペンとインクボトルの形状の相性がよりにもよって最高に悪く、これ以上ペン先が入らないことである。